BLACK BLOOD BROTHERS 第1話〜第12話
第1話 黒き血の兄弟
第2話 調停員(コンプロマイザー)
第3話 九龍の血統(クーロンチャイルド)
第4話 古血(オールド・ブラッド)
第5話 経済特別解放区(トック)
第6話 夜会(カヴン)
第7話 銀刀
第8話 護衛者
第9話 第十一地区(イレブンヤード)
第10話 オーダー・コフィン・カンパニー(カンパニー)
第11話 海
第12話 我が血統の永遠なる鼓動がためこの血の総てを捧げんことを
BLACK BLOOD BROTHERS
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
BLACK BLOOD BROTHERS
ジャンル ファンタジー
小説
著者 あざの耕平
イラスト 草河遊也
出版社 富士見書房
掲載誌 月刊ドラゴンマガジン
レーベル 富士見ファンタジア文庫
発表期間 2004年7月16日 - 刊行中
巻数 本編6冊 / 短編2冊
テレビアニメ
監督 吉川博明
シリーズ構成 杉谷祐
キャラクターデザイン 菅野利之
アニメーション制作 スタジオ・ライブ
グループ・タック
製作 BBB Partners
放送局 放送局参照
放送期間 2006年9月8日 - 2006年11月24日
話数 全12話
『BLACK BLOOD BROTHERS』(BBB、ブラック・ブラッド・ブラザーズ、香港也有吸血鬼)は、あざの耕平/著、草河遊也/イラストのライトノベル。富士見ファンタジア文庫刊。
既刊一覧
BLACK BLOOD BROTHERS (本編)
1. 兄弟上陸 ISBN 4829116293
2. 特区鳴動 ISBN 4829116714
3. 特区震撼 ISBN 4829116927
4. 倫敦舞曲(ロンドン ロンド) ISBN 4829117753
5. 風雲急告 ISBN 4829117958
6. 九牙集結 ISBN 4829118601
7. 王牙再臨 ISBN 4829119217
BLACK BLOOD BROTHERS(S) (短編)
1. ISBN 4829117346
2. ISBN 4829118334
3. ISBN 4829118814
登場人物
主人公
望月ジロー (もちづき ジロー) (声:ラジオドラマ版は神谷浩史、アニメ版は櫻井孝宏)
主人公。齢百歳以上の吸血鬼。黒髪黒目の日本人で、常に赤い帽子とスーツを着ている。始祖「賢者イヴ」の血族にしてその護衛者。かつて香港聖戦では「英雄」「同族殺し」「銀刀」などの二つ名で呼ばれ、現在でも伝説級の吸血鬼として知られているが、本人は望む望まないに関わらず多くのトラブルを生む自身の知名度を好ましく思っていない。1873年(明治6年)生まれ。剣術は祖父(元薩摩藩士)譲りの示現流で、人間の時から達人級の腕前だった。
涼しげな美男子だが女難の相あり。普段はクールな紳士を装っているが、実際は生真面目でお人好しのひねくれもの。寝起きが悪く、時間にルーズで、機械全般には非常に弱い。携帯やFAXなどもしょっちゅう壊すが、何故かゲームだけは滅茶苦茶に強い。吸血鬼の弱点すべてに弱いため、日光や流れる水を苦手とし、日に照らされたり、水に触れるだけで体から煙が上がる。クリスマスが苦手。金運にも恵まれておらず、過去に株に手を出して調子に乗り、大損したこともある。特区でもへそくりを投資したものの、ケインの忠告を無視したせいでまたしても大損した。
人間だった頃は大日本帝国海軍少尉で留学のためロンドンに渡り、その地で出会った吸血鬼アリス・イヴ(賢者イヴ)と強く惹かれ合う。ある事件を通して彼女を守る力を望み、「昼の世界」と決別して「夜の世界」の住人となった。
香港聖戦で「九龍の血統」の長・九龍王を滅ぼし、史上ただ一人のオリジナル(始祖)を抜いた吸血鬼として「始祖殺し」と評されている。
現在、賢者の血統の定めに従い、「死を迎えた賢者」の力を全て所持しているが、危険過ぎる強大な力を「コタロウ(賢者イヴ)」に危険が迫ったときのみ発動するよう「北の黒姫」に頼み、制約をかけている。賢者の血統の宿命を受け入れ、厳しくも優しい兄としてコタロウに接ながら来るべき「運命の日」に向けて、最初で最後の充実した日々を「特区」で過ごす。
望月コタロウ (もちづき コタロウ) (声:南央美)
ジローの弟。10歳。ジローの事を兄者と呼ぶ。ジローと違い、やわらかい金髪と人懐っこい青い瞳を持ち、天使のような愛らしい容姿をしている。兄が好き。ミミコが好き。ケチャップが好き。クマが好き。いつでも笑顔で万年お気楽。大変おバカ。吸血鬼として非常に頑丈な体を持っているが泣き虫で、野良犬や野良猫と喧嘩して負けるほど弱い。「聖地」の外の世界に出たことがなかったため、見るもの聞くもの全てが珍しいらしい。兄とは対照的に、吸血鬼としてのこれといった弱点を一切持たない。
その正体は、香港聖戦で死亡した始祖「賢者アリス・イヴ」の生まれ変わり(作者は当初は「妹」という設定も考えていた)。だが本人には転生前の記憶はない。賢者として「孵化」する際、護衛者であるジローの血を吸い、預けた賢者の記憶や力ごとジローを自らの血の一部として吸収しなければならない宿命を持つ。
時折、進むべき道に迷うジローやミミコに、賢者としての無意識が道を示すことも。
葛城ミミコ (かつらぎ ミミコ) (声:永田亮子)
特区のオーダー・コフィン・カンパニーに所属する調停員(コンプロマイザー)。仕事に熱心な勤労少女。お人好しで涙もろいがガッツとやる気は人一倍。調停部部長にして凄腕の調停員「陣内ショウゴ」の直弟子で、幼少の頃から、彼に調停員になるための訓練を受けてきた。
幼いころに家族を失い養子に出されたが、馴染むことができず身ひとつで脱走。特区でストリートチルドレンとして暮らしていたところを偶然知り合った陣内に拾われる。
特区にやってきたジローとコタロウを招き入れ、そのまま彼らの面倒を任されることになる。護衛者(クローザー)とその雇い主として、ジロー・コタロウ兄弟と共に様々な事件に遭遇する中、次第にジローに惹かれていく自分を自覚する。
調停員としては陣内が目を見張るほどの才能を持つ。ジローと出会って以降沢山のトラブルを経験し、失敗や挫折を乗り超えながら様々な血族の固い信頼を勝ち得ていく。その中で、「特区」の抱える最大の「矛盾」に気づき、カンパニーの理想に疑問を抱き始める。
男性経験がない(処女)。そのため、ジローに血を吸われた際には「我等にとって宝石にも等しい(血の持ち主)」と言われた。
後に「セカンド・カンパニー」(詳細不明)の伝説的指導者になる。
主要人物・吸血鬼
ケイン・ウォーロック(声:安元洋貴)
「青狼ケイン」の異名を持つ古く強力な吸血鬼。特区における欧州系血族の盟主で、人間社会の経済界を牛耳る「マリーン・バンク」支配人でもある。生真面目な性格。カーサと同じく始祖「魔女モーガン」の血統であり、かつてはカーサの従者(兼監視)を勤めていた。
ジローとは吸血鬼に転化した事件からの古い友人(彼に対する接し方はアニメDVDのオーディオコメンタリーにて「ツンデレ」「父親みたい」と評されている)。ともに香港聖戦を戦い抜いた相棒でもあり、聖戦最強のコンビとして名を馳せた。
もともと彼は血族内の忌子であるカーサを監視する為に血族に加えられ、過剰なプライドを先行させる血族の者や、冷酷な血統の長「三姉妹」に良い印象はなく、孤独でありながら強く奔放に生きるカーサの方を好ましく思っていた。彼女と共に(すぐに姿を消す彼女を追って)世界を旅をした経験が彼の見識と力を広め、特区にて血族の盟主を任じられる要因となった。後にアリス、そしてジローを加えた旅の中で「東の龍王」セイと出会い、偉大な吸血鬼であるほど忌み嫌う「混血」のカーサを一切他の者と区別しない彼の度量に私淑、以降血統を超えた師として尊敬している。
セイ(声:高木礼子、香港聖戦時は宮田幸季)
世界に現存する吸血鬼の中でも古く、強力な力を持つといわれる吸血鬼の一人。始祖「真祖混沌」の直系であり、「東の龍王」「龍王セイ」と呼ばれる。特区においては、事実上吸血鬼側の代表として特区の運営に携わり、夜の世界を治めている。転生を繰り返しており、現在は幼い少年の容姿をしているがその力は絶大。香港聖戦ではジロー、アリスらと行動を共にし、滅んだ九竜王の遺灰を「ある場所」に封印した。
香港聖戦終結後、ジローが身を隠していた「聖地」の主「北の黒姫」は、同じ混沌の直系であり、セイの姉にあたる。
特区設立の際、九龍の血統の侵入を防ぐためにその力のほとんどを費やして結界を作り、特区を守っている。
「特区聖戦」の際、ザザ(ウォーカーマン)の策略によりカーサに吸血され九龍の血統に転化させられた上、ザザに体を乗っ取られてしまう。
ゼルマン・クロック(声:福山潤)
始祖「闘将アスラ」の血統で「緋眼のゼルマン」と呼ばれる強力な吸血鬼。赤髪・赤眼の美少年の容姿をしているが、特区内では龍王セイに次ぐ実力の持ち主で、その力はケインやカーサさえ圧倒するほど。気まぐれな性格で、特区内においてはどの組織にも属していないが、彼を担ぎ上げた若い吸血鬼達によって特区非公認組織「夜会(カヴン)」のリーダーとなっている(本人は我関せず)。
「闘将」の血統の定めとして同族内での闘いを宿命付けられているが、もはや血族内の生き残りは自分一人となっており、内心にくすぶる闘いへの渇望に苛まれている。
特区聖戦においては「特区側」に付き、圧倒的な力で九龍の姉弟と戦うが、「真銀刀」の一撃からコタロウを庇って致命傷を負う。その後、最後の力を振り絞って迷い悩むジローを諭し、最期はサユカに看取られつつ眠りにつくが、その血はサユカへと受け継がれる。
主要人物・人間
陣内ショウゴ(声:成田剣)
特区と「オーダー・コフィン・カンパニー」設立時のメンバーにして、調停部の部長。飄々とした性格の壮年の男性だが、かつて香港聖戦において、決して相容れない存在であるはずの「人間と吸血鬼」の掛け橋として活躍した、史上初の調停員。ジローやケイン達とはその頃からの戦友。特にジローとは、普段はまず見せない稚気を顔に浮かべる悪友のような仲で、人間と吸血鬼の種族を超えた対等の友人関係を築いている。「人間と吸血鬼は共存できる」との信念の元、時折カンパニー上層部の意向を無視しつつ現場を指揮し、部下たちの信頼を一身に集めている。
ストリートチルドレンだったミミコを引き取り、育てるとともに調停員としての技術と精神を教えた、彼女にとって父のような人物。
九龍王の遺灰を狙う九龍兄弟の襲撃を察知し「第十一区画」にて待ち伏せていたが、ザザとラウの二段がまえの策略にはまり致命傷を負う。その場に駆けつけたセイに吸血鬼となって生きるよう促されるが、その信念から人間として生を全うすることを固持。最期はセイとリンスケに見取られつつ息を引き取り、「特区聖戦」における最初の戦死者となった。
尾根崎ミタカ(声:松山鷹志)
「カンパニー」の会長であり、実質的に特区の全てを取り仕切っている人物。若輩ながら聡明な頭脳と冷静な視点、揺るがぬ胆力を持ち合わせ、セイやケインからもその手腕を高く評価されている。
かつて「特区」が政府や企業に見放されたスラム街だったころ、その一角に居を構えていたヤクザの組長の息子としてこの地に生を受けた。苦難の末に若くして独力で抜け出し、渡英して経営者、指導者としてのノウハウを身につける。「九竜ショック」が起こった際、崩壊した香港に変わる経済都市を求める海外企業を誰よりも早く説き伏せ、無法地帯と化していたこの地を平定し、企業連を誘致して特区の礎を築いた。また、吸血鬼狩りが世界的に横行する中、来たる未来に「吸血鬼との共存」を見出し、陣内や張を手勢に加えセイを筆頭とした吸血鬼たちと歩み寄った。
まさに特区の生みの親とも言える存在で、この地に対する理想と思い入れは人一倍強い。しかし、それ故に特区を巡る様々な障害を前に苦悩し、時に判断を焦って現場の者達との軋轢を生むことも。
張雷老 / ジャン・レイカオ(声:麦人)
「カンパニー」情報部部長にして、会長・尾根崎の片腕的存在。尾根崎、陣内と並び、特区設立の初期から様々なトラブルを切り抜け、今日の特区を築き上げた人物。老年ながら元は「パイルキラー(杭打ち師)」と呼ばれた大陸で有名な吸血鬼ハンター。特区設立にあたって、尾根崎の才能と理想を認め、彼の説得に応じる形で彼の部下となった。
情報部部長として特区内外のあらゆる情報を把握・管理する傍ら、「トップとして、経営者としての視点」で物事を判断する尾根崎を「現場に立つ者の視点」で補佐し、時に諌めている。
赤井リンスケ(声:高戸靖広)
「カンパニー」査察部所属。自称「査察部のエース」。香港聖戦時には、陣内とともに人間の身でジロー達と行動を共にしていた。紫の髪に派手なアクセサリー、更に女言葉で話すなど個性的な人物だが、その情報収集能力は非常に優秀。時折カンパニー所属という枠を離れて、陣内やジローを助けている。
楠ヒバリ(声:高橋美佳子)
ミミコを慕う後輩。噂好きで明るい性格。茶を運ばせると必ずと言っていい程こぼし、パソコンのコンセントにつまづいて抜いてしまったり、重要な書類に限ってシュレッダーにかけたりするドジっ娘。ドジは母親譲りで、父親は貿易商でそれなりに裕福であるにもかかわらず、「お前たちと24時間いて生きている自信がない」と言って家から出て行き、たまにしか帰ってこない(仲が悪いわけではない)。通販マニア。
作者いわく、「場を騒がしくするトリックスター」で、話を動かしやすくするキャラクターとのこと。
スワン・鐘(声:植田佳奈)
ミミコの同僚の優秀な調停員。中国人とイギリス人のハーフであり、実家は華僑の大家でもあるお嬢様。少々高慢で意地っ張りだが根は真面目でお人よしな性格。ジローを気に入っているらしく、ことあるごとにミミコと張り合っている。カンパニーとの繋がりを欲した家の意向で調停部に入れられたが、調停員として誇りを持ち、退職を勧める親を押し留めてこの仕事を続けている。
朱鷺籐サキ(声:根谷美智子)
ミミコの同僚であり、先輩であるベテラン調停員。背が高く引き締まった体格の、ハンサムな美女。クールだが面倒見がよく、後輩のスワンやミミコと仲がいい。実は吸血鬼と人間とのハーフ(ダンピール)であり、縦長の瞳孔をしたカナリア色の右目と、人間を超えた身体能力を持っている。しかし子供など可愛いものに目がなく、コタロウにメロメロだったりする。
白峯サユカ(声:佐久間紅美)
人の身でゼルマンに付き従うクールで知的な女性。ゼルマンに心酔しており、彼に絶対忠誠を誓っているが、日に日に不安定になっていく彼の内面を感じ取り、彼の身を案じている。
ゼルマン以外の存在には関心がなく態度も冷淡だが、ある事情から立場上敵対関係にあったミミコ達と行動をともにし、様々なトラブルをともに経験するうちミミコとは友人と呼べる間柄になる。
九龍の血統
カサンドラ・ジル・ウォーロック(声:沢城みゆき)
愛称はカーサ。「魔女モーガン」の血統で「黒蛇のカーサ」の異名を持つ吸血鬼。アリスとは古い親交を持ち、後にジローを加えて行動を共にしていたが、香港聖戦にて九龍の血統に寝返り、ジロー達と対決した。智謀に優れ、九龍王の片腕として香港聖戦の指揮を取る。最も早く九龍側に下ったと言われるが詳細不明。
「始祖モーガンの再来」と呼ばれるほどに優れた魔術の使い手で、他者に変身するなど多彩な魔術を使う。
血統内ではその転化させられた手段から「忌子」として忌み嫌われており、他の血統からも総じて疎まれていた。そんな彼女が唯一心を許す友人がアリス・イヴであり、またアリスもカーサのことを「一番の親友」と称していた。護衛者であるジローよりもはるかに古くからアリスの身の安全を守っており、年若く未熟なジローをよくからかっていた。ジローにとっては護衛者としての師と呼べる人物。
現在、九龍の血統の生き残りである九龍の九姉弟の長女として、特区に眠る「あるもの」を狙っている。賢者アリス・イヴとジローに対して、執着心を持つ。
ザザ(声:鳥海浩輔)
九龍の血統の長男で、夜の世界でも有名な知将。兄弟達の参謀をしている。兄弟の中では最も古く、人間の社会にも度々干渉している。古血の間でも伝説と言われる程の吸血鬼。精神だけの存在で、次々に他人の肉体を渡り歩く事からかつては「人渡り(マン・ウォーカー)」と呼ばれ、現代ではそれが転じた「ウォーカーマン」の名で呼ばれている。人間の肉体を器としているため戦闘には参加しないが、並外れて強力な視経侵攻を使う。九龍兄弟の中ではカーサ以上にセイやゼルマンが注意を払う存在。初登場時は「童顔で髭の生えた大学生(男)」という外見だったが、特区聖戦に臨む際には「ドレスを着た金髪ツインテールの女の子」というとんでもない格好(本人曰くワインが悩みを相談しやすくするため)だったため、変態としてカーサに絶縁されかけた。
本人曰く「本来の体」は既に消滅しているらしい。血によって自身を定義する吸血鬼でありながら血さえ持たない精神のみの存在であるなど、吸血鬼としても異質の存在。「九龍の血統」に自ら染まった経緯も含め、その由来には謎が多い。
過去に「シューズ」の偽名で「豪王フォワード」の血統誕生やゼルマンの特区移住をお膳立てしていた。「特区聖戦」においてはその智謀を遺憾なく発揮し、セイの身体を乗っ取り、九龍王を復活させ、特区の結界の対象を「九龍の血統以外の全員」に逆転させる。
ダール・ディーン
九龍の血統に転化する以前から名の知られた「舞姫バサラ」の血統に属する偉大な古血で、二振りの曲刀を使う剣術の達人。かつては並外れた実力と英知に富み自愛に満ちた精神から「聖人」と呼ばれていた。
姉弟の中では最もカーサとの付き合いが長い彼女の片腕的存在。以前から不遇な境遇に生きるカーサに何かと目を掛けており、彼が九龍の血統も転化したことにも深く関わっている。
ナブローシュカ・バラライコフ
通称ナブロ。暗殺者の血統である「老牙ニザリ」の血族において、転化間もない頃から天才と呼ばれた暗殺者。髪色とレイピアの使い手であることから「橙蜂(オレンジ・ビー)」の異名を持つ。ジローと同年代であり、転化して100年少々と古血としてはいまだ若い。殺しを芸術に例えるなど、独特の価値観に従って生きている。
ハンス・李
刀を使った剣術の使い手。寡黙で生真面目な性格。
マーベリック・ベンク
陽気な性格のムードメイカー的存在。個性の強い姉弟の間を取り持つ苦労人である。
温厚な気性から実戦には向かず、戦いにおいては主にザザの命を受け、工作や汚れ仕事を請け負っている。また、九龍の血統に染まった時点で相応の時を生きた吸血鬼であり、「視経侵入」と進入対象の精神支配はかなりの技量の持ち主。
ヤフリー・趙(声:くまいもとこ)
姉弟の末の弟。短気で気が強い性格だが転化して時が浅く、実力は伴っていない。
ラウ・王
アダムの実の弟。姉弟で唯一の「人間」であり結界や真銀も効果がない。剣の達人で、ハンス、マーベリック、ヤフリーの師でもある。幼い頃から不遇だった自分を何かと助けてくれた腹違いの兄である「九龍王」アダムに心酔し、絶対視している。
九龍の血統に転化しなかったのは人間の立場で兄に協力するためで、米軍特殊部隊「赤い牙」の戦術顧問「フォックス」を名乗り、肉体をザザに預けて「カンパニー」に潜り込んでいた。九龍王の墓所にて陣内を射殺し、「真銀刀」を奪取、特区の結界を破壊する。
ワイン
姉弟における一番末の妹。幼い容姿と優しい心の持ち主で、すべての兄や姉から愛されている。実は九龍王と人間との間に生まれたダンピール。九龍の血の特性は薄いようで、本心は戦いや争いを望んでおらず、愛する兄や姉の無事を祈っている。
始祖
アリス・イヴ (声:南央美・二役)
吸血鬼の始祖の一人であり、ジローの「闇の母(ナイト・マム)」。始祖賢者イヴとして称えられている。最も古い始祖と呼ばれ、その血には他の全ての血統の力を秘めていると言われている。
普段の彼女は明るく天真爛漫で、美しい容姿と幼い少女のような無垢な心を持っている(性格はコタロウとほぼ同じ)。1895年のロンドンで、留学中の大日本帝国海軍少尉だった「望月次郎」と出会い、ある事件を経て彼を吸血鬼「望月ジロー」へと転化させた。ジローとは恋人同士。本編が始まる以前、香港聖戦の際に亡くなっており、コタロウに転生している。
アダム・王
九龍の血統の始祖で、九龍王とも呼ばれる最も若い始祖。
九龍姉弟にとっての「父」。現在、龍王セイによってその遺灰が「ある場所」に封印されており、それを復活させる為、生き残った九龍の血統が暗躍している。人間との間に娘(ワイン)がおり、賢者イヴとは深い因縁があるようだ。
九龍姉弟によって遺灰の封印をとかれ、ワインの血で復活を果たす。
真祖混沌
「真祖混沌」の始祖で、もっとも偉大な吸血鬼とされる。
かつてみずから生み出した「真銀刀」で8つに切り裂かれたとされるが、九姉弟との死闘で賢者の力が暴走したジローの元に直系の「西の虎仙」を遣わし、崑崙と呼ばれる都にて存命であることが明かされた。
その他
ケリー・黄(ウォン)(声:小菅真美)
「断絶血統」の難民を率いる女性。「九龍ショック」に伴い巻き起こった吸血鬼狩りによって故郷を追われ、同じ境遇の者達を率いてすでに噂の広まっていた「特区」への密航を図る。その際、望月兄弟が同じ船で密航を図っていたことから兄弟やミミコと深くかかわることに。
ジョアン・曾(ツァン)(声:津久井教生)
ケリーの率いる難民に紛れ込んでいた九龍の血統の男。ケリー以外の全員を同族にして特区入りを図るが失敗。特区を目の前にしながらジローの刀に貫かれ、死亡。
チャン(声:辻あゆみ)
ケリーが率いる難民吸血鬼の一人。幼い少女。人間であった頃死病に犯されていたが、娘の生を望む両親がケリーに請い、ケリーによって転化させられる。以降は彼女と行動を共にし姉のように慕っていたが、ジョアンによって九龍の血統にされ、最期は黄の手で短い生涯を終える。
バドリック・セリバン(声:江川央生)
「カンパニー」鎮圧チーム所属。隊長である「神父」が米軍に出向している間、隊長代理を務めている。不器用で駆け引きなどは苦手だが実直な人物。
北の黒姫
始祖「真祖混沌」の直系にして龍王セイの(血統としての)姉。外見は美しくも幼い少女だが、現存する最も古い吸血鬼の一人。シベリア奥地の「北の聖域」に篭り、その地を守護している。セイと同様転生の力を持っているが、彼女は一度も転生していない。また、アリスとは旧友だった。
「香港聖戦」の終結直後、傷だらけでこの地を頼ったジローを受け入れ、10年に渡って彼とコタロウを匿い続けた。
長い年月を聖域の中で過ごすなかで精神を周囲の自然と同化させており、言葉を話す事もない。しかし感情が無い訳ではなく、アリスの死やジロー、コタロウが聖域を出ると決めた際には幼い感情を爆発させている。その際、膨大な力がその地の自然に作用して猛吹雪を呼び、兄弟の出発を遅らせた。
クロウ(声:高瀬右光)
齢1000歳を超える古血。北の黒姫によって転化した「混沌」の三世で、黒姫と共に聖域を守護している。一見粗野で軽薄に見えるが仕草や物腰に気品がある、外見年齢不祥の日本人。剣術の達人で、長い時を生きた吸血鬼としてジローの師となり、聖域に暮らす間彼を鍛えた。アリスやカーサとも面識がある。
転化前は国中にその名を知られた戦の名将だったと語っており、原作ファンの間では源義経ではないかと言われている。本編中での明言はされていないがそれをほのめかす単語がしばしば見られ、またアニメDVD一巻のオーディオコメンタリーでは原作者・あざの耕平が実在の人物をモデルにしていると発言しており半ば公認といえる。
オーギュスト・ワイカー(声:黒田崇矢)
夜会の幹部的存在で、多くの手下を従えていた。人間を蔑視する典型的な夜会の思考の持ち主で、「銀刀」の異名を持つ強力な吸血鬼であるジローが他勢力につく事を警戒して幾度となく彼を襲撃するが、ことごとく返り討ちに合った上に、小馬鹿にされる。ザザの策略により「九龍の血統」に染まり、最後にはジローの手によって死亡した。
秋山真之(声:子安武人)
実在の人物。作中では大日本帝国海軍少尉でジローの海軍兵学校時代からの先輩。駐在武官として赴いたロンドンでジローと再会し、ともに「切り裂きジャック」事件の真相を独自に追う。
ブラム・ロイド
「切り裂きジャック」事件を捜査するロンドン警視庁の刑事。後に小説家になったことが示唆されており、モデルはブラム・ストーカーと思われる。
ジャネット・ハーゲンダルフ
米国における対吸血鬼チーム「赤い牙」の隊長。外見は十代半ばの少女だが、「壮剣ローラン」の血統に属し、三百年近く生きた古血。「正義」を信奉する血統のままに実直で、正義感の強い女性。十字剣を使う剣士でもある。「壮剣」の血統に連なる高名な古血、聖騎士ペンテウスによって転化する。父と慕う彼の命で米国に渡って年若い始祖「豪王フォワード」の補佐を勤める。また同時に「赤い牙」の隊長として異なる血統の隊員たちを纏め、鍛えていた。
米国、特区間の政治的な駆け引きと特区の情勢の変化により部隊を率いて特区に上陸するが、その機を狙った九龍の血統が引き起こす「特区聖戦」に巻き込まれ、部隊の大半を失ってしまう。
かつて転化して間もない頃、ペンテウスの盟友であるダール卿と彼が時折連れてきたカーサ、その従者であるケインとは交流があった。しかし「九龍ショック」に際してカーサとダール卿は「九龍の血統」に転化。盟友の裏切りに苦悩したペンテウスは「橙蜂」ナブロによって暗殺されてしまう。以降ダール卿への復讐を誓い、機会を伺っていた。また、ケインには淡い思慕を抱いているそぶりを見せる。
神父
カンパニーにおける対吸血鬼部隊・鎮圧チームの隊長であり、香港聖戦での人間側の英雄の一人。黒人の陽気な男性。絶大な指導力とカリスマ性を持ち、吸血鬼との戦いに疲弊し半ば自棄になっていた人間側の勢力を纏め上げた。ジローやケイン達とも共に戦った間柄。米国政府の要請で対吸血鬼の特別顧問として米軍へと赴いていたため本編中では長らく名前のみの登場だった。
特区
物語の舞台となる人工島で、正式名称経済特別解放区。横浜市沖の海上に建設された都市で、世界で唯一の人間と吸血鬼が共存している場所であるが、人々は(特区に暮らすものも含め)ほとんどがその事実を知らない。九龍聖戦後、人間と強力な古血「龍王セイ」「青狼ケイン」らが力を合わせて築き上げた。吸血鬼たちの間では有名で、九龍ショック以降、世界中で盛んに行われた吸血鬼狩りによって故郷を追われ、特区の保護を目指して密航する吸血鬼も後を絶たない。通常、特区に暮らすには、正式な手続きを踏まえてセイ、ケインの管理下である「協定血族」に加盟する必要がある。共存に際して起きるトラブルを解決するために設けられたのがカンパニーである。特区内は、それぞれ趣の異なる第一区〜第十区に別れている。
元々は第二次世界大戦終結直後に開発された埋立地であり、経済戦略的国際都市を目指すことが考えられていた。しかしバブル崩壊後計画は頓挫し、そのまま放置されていたところに犯罪者や難民などが住み着き、一種の独立領的な存在となっていた。九龍ショック直後、第二の香港を探す企業群がそこに目をつけ、紆余曲折を経て地元の暴力団を前身とするオーダー・コフィン・カンパニーを中心に「特区」へと変貌を遂げる。
用語
転びたて(アンダーイヤー)
吸血鬼へと転化してまだ日の浅い者をアンダーイヤーと呼ぶ。力もそれほど強くはないが、普通の人間にとっては十分脅威である。この時期の吸血鬼は思慮が浅く、「力に酔う」者が多いため、特区内でのトラブルはアンダーイヤーのものが多い。
抗吸血鬼材(アンチ・ブラックブラッド・マテリアル)
絶大な生命力や回復力を持ち、通常の兵器では歯が立たない吸血鬼を滅ぼしうる物質。略称「ABBM」。基本的に血統によって異なるが、中でも「銀」と「火」はあらゆる血統を死に追いやる「万能の抗吸血鬼材」といわれる。銀は吸血鬼の血に流れる魔力を無効化し、火は吸血鬼の「血」自体を灰に変えることが出来るため。
オーダー・コフィン・カンパニー
通称カンパニー。会長の尾根崎ミタカのもと特区の平和を守るために設立された組織で、「人間と吸血鬼の共存」を理念としている。特区の中枢であり、事実上特区を支配しているといえる組織。主な部署は、吸血鬼とのトラブルを交渉で解決する調停部や、吸血鬼の暴走やテロに対抗する鎮圧チーム、特区内外での情報の操作や規制、隠蔽などを行う情報部など。
古血(オールドブラッド)
吸血鬼の中でも100年を超える時を生きた力ある吸血鬼のこと。吸血鬼の「力」の強さ(戦いにおける強弱は別)は生きた時間に比例するが、古血になるまで生き抜ける吸血鬼は多くない。「香港聖戦」によって多くの古血が失われた。必然的に吸血鬼の間では年功序列的な面が強く、聖戦の英雄と謳われる主人公・望月ジローも、オールドブラッドの中では若輩者扱い。
共鳴現象
吸血鬼に血を吸われた者が、一時的に吸血鬼側の感覚を共有する現象。基本的に一方通行であり、血を吸った側が吸われた側の感覚を受けることはない。また、「吸血によって相手の血の特性を取り込む」という特性を持つ「賢者の血統」は特にその影響が顕著に現れる。香港聖戦時、ジローとケインはこの特性を利用した完璧なコンビネーションで数多の死線を潜り抜けた。
銀刀
ジローが所有する、すべての吸血鬼共通の弱点である銀でコーティングされた刀、ひいてはジロー本人を指す。ジローはこれを持って香港聖戦を戦い、「英雄」「銀刀」「同族殺し」といった名を得た。
九龍の血統
「九龍王」アダム・王を始祖とする血統。この血統の誕生が、人間、吸血鬼を問わず世界規模の混乱を引き起こす引き金となった。詳細は九龍の血統を参照のこと。
九龍ショック
九龍の血統、そしてその始祖「九龍王」の暴走により、それまで(表向きは)伝説上の存在とされてきた「吸血鬼」の存在を世界中の人間が認識し、世界レベルの混乱が巻き起こったこと。これにより、各地で吸血鬼狩りが横行し、凄惨な争いが起こった。なお、数年の後に「吸血鬼は根絶された」との声明が世界各国でなされたが、その裏では「香港聖戦」、人間・吸血鬼間の協定、そして「特区」設立などが(あくまで秘密裏に)行われた。
血族・血統
同じ始祖から受け継いだ血を持つ吸血鬼たちのこと。受け継がれる血を血統と呼び、同じ血統に属する吸血鬼の集まりを血族と呼ぶ。始祖の名をとって「○○の血統」と呼ぶ。血統ごとに使える力や弱点が異なる。始祖から直接血を与えられた者を「直系」と呼び、血統の中でも特に強力な力を持つ。多くの場合は転化した時にその血統の血族に加わるが、行きずりで転化してしまい、自身がどの血統か分からない者や、血族に属さない者もいる。吸血鬼が特区に入るには、カンパニーとの間に様々な契約を交わし「協定血族」に加盟する必要がある。吸血鬼はみな血統に絶大な誇りを持っており、みだりに血族を増やすような真似はしない。血統にはそれぞれに背負った宿命がある。
賢者イヴの血統
主人公・望月ジローが属する、「賢者イヴ」ことアリス・イヴを始祖とする血統。賢者イヴを参照のこと。
調停員(コンプロマイザー)
「特区」の中核を成す「人間と吸血鬼との共存」を守るのがカンパニー内「調停部」である。部長として統括する陣内ショウゴの元、人間・吸血鬼間、あるいは吸血鬼の血族間のトラブル処理や仲介を一手に引き受けるのが「調停員(コンプロマイザー)」である。その性質ゆえに、「カンパニー」の一部門でありながら特殊な(微妙な)ポストに位置している。
始祖(ソース・ブラッド)
ひとつの血統における大元となった存在。始祖は吸血鬼の親であると同時に神に等しい存在であり、力の強弱とは違った意味で次元の違う存在。始祖もまた最初は人間であり、ある日突然「始祖」になる。また、生まれた始祖は一つとして同じ性質を持つものにはならない。本編中、始祖とは、ある人間が抱える「問い」や「願い」が世界の「脈動」と合致した瞬間、本人の意思に関わらず吸血鬼として変化したものであると語られる。
真銀刀(ジェンインタオ)
真祖混沌の血統に伝わる、究極の抗吸血鬼材「真銀」で出来た剣。「真銀剣」や、単に「真なる銀」など、さまざまな名称で呼ばれる。大陸の吸血鬼ハンターの間では、「神話の時代に真祖混沌によって生み出され、生みの親である真祖を八つに裂いた剣」として古くから語られていたが、単なる言い伝えであると思われていた。香港聖戦で「銀刀」望月ジローが振るい、九龍の血統の始祖、九龍王を滅ぼした。また、灰となった九龍王を11年にわたって封印し続けていた。「真銀」の力は吸血鬼の血や肉体のみならず精神や能力にも害を及ぼし、強力な古血であっても鞘に収まった状態でさえ近づくこともできないが、人間には全く害を為さない。混沌の直系であるセイは、「人の為に鍛え、人に与えし、人の剣」と語っている。
十字軍
正式名称、「世界吸血鬼対策委員会」。シンガポールに本部を置く世界最大の対吸血鬼機関で、「神父」が香港聖戦時に結成した民兵組織を母体としている。
シンガポール協定
香港聖戦の終了後、シンガポールにて、その「実在」が公のものとなってしまった吸血鬼と人間の間で極秘裏に行われた協定。「特区」設立の土台となったほか、世界各地で異なる捉え方をされていた吸血鬼観や知識の均一・体系化、吸血鬼に関わる語句の制定等がなされた。
第十一地区(イレブン・ヤード)
第一区〜第十区に区分けされた特区において、存在しないはずの場所。特区内の都市伝説のようなもので、「そこ」には「香港聖戦の遺産」が眠っていると言われる。カンパニーのトップである尾根崎や張も含め、誰もその存在を知らない(信じていない)が、特区の吸血鬼の間では「確かに在るもの」として、様々な憶測を含めて囁かれている。その真実は、香港聖戦において中核となったごく一部の吸血鬼と人間だけが知っている。
その正体は「カンパニー」事務所に隣接する墓地であり、香港聖戦で滅ぼされた「九龍王の遺灰」が封じられている。地下に遺灰の安置室が隠され、「真銀刀」によって封印されている。
転化
人間が吸血鬼となる現象のこと。本作では人間は吸血鬼に血を吸われて吸血鬼化するわけではなく、吸血鬼の血を飲むことで吸血鬼となる。この吸血鬼の血を黒い血(ブラックブラッド)と呼び、反対に人間の血を赤い血(レッドブラッド)と呼ぶ。ちなみに、吸血鬼の肉体の成長は吸血鬼に転化した時点で止まる。肉体が成長しない吸血鬼は、そのため「精神的にも成長しない」という特性を持っている。ただし、様々な経験による学習や変化はある。
特区聖戦
九龍王復活を目論む九龍姉弟が11年をかけて計画し、準備を固めた大規模な特区襲撃。
。一般の人間を含めた大多数の犠牲者を出し、陣内ショウゴを筆頭とした特区運営の主要な人物も多く失われた。特区側も奮戦するものの九龍王は復活を遂げ、事実上、特区は崩壊する。また、これにより根絶したとされてきた吸血鬼の存在と、特区の「吸血鬼と人間の共存する地」という秘密が世界中の白日の下に晒され、特区に暮らす多くの血族が安住の地を失う事となる。
バウワウ卿
香港聖戦終結後、ジローが身を隠していた「北の聖地」一帯の野生動物の主で、巨大な熊。聖地で暮らしていた頃のコタロウにとっての親友でもある(この名をつけたのは彼で、以前はムサシボーと呼ばれていた)。後、特区で生活を始めたコタロウが新居の地下で見つけた巨大なテディベアのぬいぐるみにこの名をつけ、常にリュックのように背負って持ち歩くようになる。中にかなりの量の物を収納できる仕組みになっており、ジローの銀刀や、時には重火器などを収めていた。実は香港聖戦の前、生前のアリスが香港のアンティークショップで見つけ、気に入ったテディ・ベアと同一のもの。結局アリスが手に入れることはなかったが、十年以上の時を隔てて生まれ変わった彼女(彼)の手に収まった。ちなみに、「バウワウ」とは作者のあざの耕平と懇意であるライトノベル作家成田良悟の著作のタイトルでもある。
香港聖戦
九龍ショックにおける、香港を舞台とした最終決戦。世界初の調停員「陣内ショウゴ」達の活躍により、吸血鬼と人間が史上初めて共同し、九龍の血統と戦った。「銀刀」「東の龍王」「青狼ケイン」など、多くの英雄が名を馳せ、激戦の末に九龍王を討ち果たしたが、引き換えに失われたものはあまりに大きかった。
脈動
歴史の流れ、世界そのものの意思のような存在で、サラエボ事件や世界恐慌といった時代の転換点となる事件や現象を引き起こしてきた。賢者アリスはある程度それを感じとることができ、それらのエポックの舞台に向かおうとする傾向があった。また、吸血鬼の始祖の誕生する過程にもかかわっている。
血統一覧
賢者イヴ
「賢者イヴ」ことアリス・イヴを始祖とする血統。主人公・望月ジローが属する血統であり、数ある血統の中でも特別な意味を持つ。その特性は「血を吸った吸血鬼のを力を自分の物に出来る」事。賢者イヴの吸血は神聖な意味を持っており、賢者に血を吸われ、その一部となることはあらゆる吸血鬼にとっての最高の栄誉である。始祖であるアリス・イヴは自身の血族を一人しか持たず、血族として選ばれた者は「護衛者」と呼ばれる。賢者が滅びに瀕した際、護衛者がその血を吸い、遥かな年月の中で蓄えられてきた「力と記憶」を預かる(ジローが「全ての吸血鬼の弱点」を持つのもその一面)。護衛者は後に転生した賢者が孵化する時、賢者に血を捧げ、自らの命や記憶とともに力を返し賢者の一部となる宿命を背負う。そうして繰り返されてきた賢者の血統は、数々の伝説ともに「最も古くから月の下にあった」とされる。始祖「賢者イヴ」は夜の世界の者達の畏怖と畏敬を集めているが、一方で「全ての血族と関わりを持ちながら絶対の中立を保つ」という特性のため、常に血族間の様々な思惑にさらされ続けている。
導主アダム(九龍の血統)
「九龍王」アダム・王を始祖とする血統。吸血鬼の中でも他のすべての血統から忌み嫌われている、九龍で生まれた血統。その特性は、「吸血しただけで相手を転化させる」「ほかの血統の吸血鬼も九龍の血統へ転化させる」というもの。また九龍の血統は「乱を好む」という宿命をもつ。この血統の暴走が、吸血鬼と人間を巻き込んだ争乱、九龍ショック、そして香港聖戦を引き起こした。現在、「黒蛇カーサ」を筆頭に、最後の生き残りである「九龍姉弟」が特区内の「あるもの」を巡り暗躍している。作者談だが、九龍の血統の名前はアダム、カーサ、ザザ、ダール、ナブローシュカ、ハンス、マーベリック、ヤフリー、ラウ、ワインと、親・兄弟であかさたな順になっている。
真祖混沌
セイ、黒姫の属する血統。始祖「真祖混沌」は、かつて大陸の夜を統べた強大な始祖であり、現在もその血族は強大な勢力を誇っている。血族の直系のものは、死を迎える度に同族の者の肉体への転生を繰り返す特性がある。その力は時空そのものに影響を与えるほど強力である。
魔女モーガン
ケイン、カーサの属する血統。一族は「ウォーロック」の姓を名乗る。魔術に長けた血統で、現在は「三姉妹」と呼ばれる直系の古血が支配している。血族として過剰なプライドを持つものが多く、ケインは自身の血族にあまり好感を持っていない。香港聖戦には最後まで不参戦を貫く一方で聖戦終結後の混乱に乗じ、ケインに命じて資本を動かし莫大な富を蓄えた。
カーサは特殊な経緯を経てこの血族に加わった忌子であり、血族内はもとより他の血族からも疎まれていたが、世話役(兼監視役)を命じられたケインは彼女を慕っていた。
闘将アスラ
ゼルマンの属する血統。血族は血の内に「強敵との戦い」への渇望を宿命付けられており、同属内での戦いも忌避としない。そのため、現在「闘将」の血族はゼルマン一人となっている。
老牙ニザリ
「香港聖戦」で九龍の血統に染まった内の一人、ナブロが属していた血統。夜の世界において殺しを生業とする暗殺者の血統であり、血族内における規律・罰則は想像を絶する厳しさであるといわれている。なお、ジローとほぼ同年代で自称「忍者吸血鬼」の古血、七布施キリマもこの血統に属している。
狼王ガルー
フランスの有力な地位を築いた血統。ルイ・マルファンが代表を務め、「竜飼」の血統の長・ゾーネ公とは対立を繰り返しながらも盟友の間柄だった。賢者イヴを深く敬愛しており、ゾーネ公に抜け駆けて仲良くしたりしていた。人間社会の発展に伴い、人間との関わり方を改めるべきとしてゾーネ公と対立していたが、「竜飼」の血統内のクーデターを機に方針を転換、人間との接触を断つ方向に向かう。
竜飼ウォルフ
ドイツを拠点としていた血統。20世紀前半にはゾーネ公ゲオルグが代表を勤め、必要以上に人間との接触を持たない旧体制派の主勢力であったが、それに反発を持った同族の者達が起こしたクーデターによってゲオルグ死亡。以降この血統は、統率力を失って瓦解していった(実際はクーデターの裏に「氷牙イーリャ」の血統の策略が絡んでいる)。その後、かつての隆盛を取り戻すために人間社会の「ある勢力」に近づいていく。
氷牙イーリャ
モスクワ大公国、ロシア帝国の樹立以来、宮廷内に同胞をもぐりこませロシアで勢力を伸ばしてきた血統。「千の目のイワン」が代表を務め、さまざまな策謀によって牙を持つ者達を操り人間社会の歴史にも多々介入しているてめ他の血統から煙たがれていた。第一次世界大戦当時、宮廷内に送り込んだ聖職者に扮した同族の暴走を招く。
聖槍ホリン
「北欧の雄」と呼ばれる血統。北欧を拠点にしていると思われる。
舞姫バサラ
アラビアの古い血統。ダールがかつて属していた。
術聖マーリン
ヨーロッパでも有数の魔術に長けた血統。魔女モーガンの血統とイギリスでの覇権を争ったが、血族内の者が「切り裂きジャック」として表舞台に姿を表す不祥事をきっかけに他の血統からの信頼を失い衰退、数年後の1895年ロンドンで最後の血族が滅び、血統が途絶えてしまう。ジローはこの時の事件がきっかけでアリスと出会い、転化した。
豪王フォワード
第二次世界大戦後に誕生した、九龍王の次に若い始祖(1929年生)。他の血統が根を下ろしていないアメリカで独占的に勢力を広げた血統であり、人間社会に積極的に関わってきている。米軍にある対吸血鬼部隊「赤い牙」もまたこの血統に属している。
義士ピロクテテス
住処を追われ、今では古血のいないまでに弱小化した血統。特区に来た際ミミコが調停を担当した。深く義を重んじる血統だが、それが原因で特区の存亡を揺るがす大事件を起こしてしまう。その際の経緯でミミコに深い信頼を置き、ミミコがカンパニーを解雇された後も一族の長・キケロはミミコに積極的に協力してきている。
壮剣ローラン
正義を尊ぶ剣士の血統。現在豪王フォワードの客分として「赤い牙」を率いるジャネット・ハーゲンダルフは元々この血統出身である。
テレビアニメ
2006年にテレビアニメが放送された(小説の3巻までを描く全12話)。
原作とアニメの相違点
* 各回アバンタイトルが過去の回想となり、香港聖戦の回想が1話に移動になった他小説4巻や短編集を基にしたものも追加されている。
* ジローがミミコに対してジローとコタロウの関係を打ち明けるタイミングが特区に入った直後(小説1巻末、アニメでは4話目の終わりに相当)からクライマックス(小説3巻、アニメ12話)に変更。
* ハンスとマーベリックが登場しない。
スタッフ
* 原作:あざの耕平
* キャラクター原案:草河遊也
* 企画:臼井久人(東芝エンタテインメント)、古川陽子(ポニーキャニオン)、峯岸卓生(博報堂DYメディアパートナーズ)
* 監督:吉川博明
* シリーズ構成・脚本:杉谷祐
* キャラクターデザイン:菅野利之
* 総作画監督:菅野利之、倉田綾子
* 衣装デザイン:湯川純
* メカ・小物デザイン:板岡錦
* 美術監督:古川洋史
* 色彩設定:渡辺亜紀
* 撮影監督:田沢二郎
* 編集:古川雅士
* 音楽:佐橋俊彦
* 音楽制作:ハピネット
* 音楽プロデューサー:澁谷知子、斎木隆
* 音響監督:亀山俊樹
* 音響制作:真山恵衣(オムニバスプロモーション)
* 音響効果:小山健二(サウンドボックス)
* 録音調整:大坪恵美(OPレクイエムスタジオ)
* 録音スタジオ:OPレクイエムスタジオ
* 宣伝:小倉尊行、菊池貞和、富井恵子
* オフィシャルサイト宣伝協力:中山憲幸(BIGLOBE)、山口健一(BIGLOBE)、栗田滋弘(BIGLOBE)
* 協力:富士見書房、博報堂、TOKYO MX
* プロダクツマネージャー:松本明子
* アニメーションプロデューサー:桜井宏
* プロデューサー:川村仁、山下いづみ、細川修、小岐須泰世、大橋豊
* 制作統括:芦田豊雄
* アニメーション制作:スタジオ・ライブ、グループ・タック
* 製作:BBB Partners(東芝エンタテインメント、ポニーキャニオン、博報堂DYメディアパートナーズ)
主題歌
オープニングテーマ「明日の記憶」
歌:高橋直純、作詞:高橋直純、作曲・編曲:新井理生
エンディングテーマ「蜃気楼」
歌:LOVEHOLIC、作詞・作曲:Jisun(チソン)、編曲:LOVEHOLIC
サブタイトル
1. 黒き血の兄弟
2. 調停員(コンプロマイザー)
3. 九龍の血統(クーロン・チャイルド)
4. 古血(オールド・ブラッド)
5. 経済特別解放区(トック)
6. 夜会(カヴン)
7. 銀刀
8. 護衛者
9. 第十一地区(イレブン・ヤード)
10. オーダー・コフィン・カンパニー(カンパニー)
11. 海
12. 我が血統の永遠なる鼓動がためこの血の総てを捧げんことを
[編集] 放送局
放送局 放送開始/放送曜日 時間
TOKYO MX 2006年9月8日〜11月24日 金曜 23:30〜24:00
tvk 2006年10月2日〜12月18日 月曜 23:00〜23:30
MBS毎日放送 2006年10月21日〜2007年1月20日 土曜 26:55〜27:25
キッズステーション 2006年9月8日〜11月24日 金曜 24:30〜25:00他
BIGLOBE 2006年9月12日〜11月28日 火曜 15:00更新
毎日放送 アニメシャワー第3部
前番組 BLACK BLOOD BROTHERS 次番組
RAY THE ANIMATION 銀河鉄道物語 〜永遠への分岐点〜
ラジオ
インターネットラジオ番組『こちらオーダー・コフィン・カンパニー』が番組公式サイトで2006年5月より配信中。パーソナリティは、スワン・鐘役の植田佳奈と楠ヒバリ役の高橋美佳子。
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